【ア】
- 相対取引(あいたいとりひき) 市場を通さず、売り手と買い手が1対1で条件を決めて行う取引。中小企業M&Aの基本形。
- 相手方(あいてがた) 取引の向こう側にいる当事者。
- アウト・オブ・ザ・マネー オプション等の権利行使価格が市場価格よりも不利な状態。
- 青色申告(あおいろしんこく) 一定の帳簿を備えることで税務上の特典(欠損金の繰越など)が受けられる申告制度。M&AのDDで必須確認事項。
- 空き家M&A(あきやえむあんどえー) 空き家や古民家を法人ごと、あるいは事業として売買すること。
- 悪意(あくい) 法律用語で「ある事実を知っていること」。道徳的な悪い心という意味ではない。
- アクセラレーター スタートアップ企業の成長を加速させる支援を行う組織やプログラム。
- アクティビスト 「物言う株主」。経営陣に対して積極的に提言や要求を行い、企業価値向上(株価上昇)を目指す投資家。
- アセット・アプローチ 純資産を基準に企業価値を算出する評価手法の総称。コストアプローチと同じ。
- アセット・ディール 「事業譲渡」のこと。会社(株式)ではなく、資産(アセット)を個別に売買する取引。
- 新しい資本主義 岸田政権が掲げた経済政策。スタートアップ育成や人への投資が含まれる。
- アット・ザ・マネー オプションの権利行使価格と市場価格が等しい状態。
- アドバイザリー契約 M&A専門家(FAや仲介会社)と結ぶ業務委託契約。
- アドバイザー M&Aの助言や実務サポートを行う専門家。
- アドオン買収 投資ファンド等が、投資先企業の価値を高めるために、さらに別の企業を買収してくっつけること。
- 穴(あな) デューデリジェンスで見つかった重大な欠陥や簿外債務のこと。「案件に穴がある」などと使う。
- アノマリー 理論では説明がつかないが、経験則として観測される市場の規則性。
- アフィリエイト(提携) 資本提携や業務提携のこと。ネット広告用語とは別。
- アライアンス 企業同士の提携。M&A(合併・買収)に至らない緩やかな協力関係。
- 粗利益(あらりえき) 売上高から売上原価を引いた利益。売上総利益。
- アルファ 市場平均を上回る超過リターンのこと。または、プラスの価値(「アルファを乗せる」)。
- アンダーライター 証券発行時の引受業者。
- アンバンドリング 事業や組織を解体・分解すること。
- アーンアウト 買収対価の一部を後払いにし、一定期間後の業績目標達成度に応じて追加支払いする条項。
- 案件(あんけん) M&Aの対象となっている売り手企業の情報やプロジェクトのこと。
- 案件概要書(あんけんがいようしょ) 売り手企業の情報をまとめた資料。ノンネームシートやIMのこと。
- 安定株主 長期的に株式を保有し、経営陣を支持してくれる株主。
【イ】
- 委員会設置会社 指名委員会、監査委員会、報酬委員会を持つ会社形態。ガバナンスが強力。
- 遺言信託(いごんしんたく) 遺言の作成から執行までを信託銀行などに任せるサービス。事業承継対策の一つ。
- 遺産分割協議 相続人全員で遺産の分け方を話し合うこと。株式が分散する原因になる。
- 意思決定機関 株主総会や取締役会など、会社の重要事項を決める機関。
- 意向表明書(いこうひょうめいしょ) LOI。買い手が売り手に対し「買収したい」という意思と条件を示す書類。
- 一時所得(いちじしょとく) 営利を目的としない一時的な所得。個人が事業譲渡した際の一部資産などはこれに該当する場合がある。
- 一株当たり純資産(BPS) 純資産 ÷ 発行済株式数。解散価値の目安。
- 一株当たり当期純利益(EPS) 当期純利益 ÷ 発行済株式数。収益力の目安。
- 一般承継(いっぱんしょうけい) 合併や相続のように、権利義務を包括的に引き継ぐこと。
- 一般媒介(いっぱんばいかい) 複数の仲介会社に同時に依頼できる契約形態。非専任契約。
- 移動平均法 棚卸資産の評価方法の一つ。仕入れの都度、平均単価を計算し直す。
- 委任状(いにんじょう) 株主総会などの議決権行使を代理人に委ねる書類。プロキシ。
- 委任状争奪戦(プロキシファイト) 株主総会で、経営陣側と株主側が、他の株主からの委任状を奪い合うこと。
- 違約金(いやくきん) 契約違反があった場合に支払う金銭。ブレークアップ・フィーなど。 医療法人M&A(いりょうほうじんえむあんどえー) 持分あり医療法人の出資持分譲渡や、基金拠出型法人の理事長交代による経営権移転。
- 遺留分(いりゅうぶん) 相続人に最低限保障された遺産の取り分。事業承継で株式を後継者に集中させる際の壁になる。
- 遺留分侵害額請求 遺留分を侵害された相続人が、金銭での支払いを求めること。
- インカム・アプローチ 将来の収益(キャッシュフロー)に基づいて企業価値を算出する方法。DCF法など。
- インサイダー取引 未公表の重要事実を知って株を売買する犯罪。M&A情報は典型的な重要事実。
- インターナル・ブランディング M&A後、従業員に対して新会社のビジョンや価値観を浸透させる活動。
- インタンジブルズ 無形資産。特許、ブランド、顧客リスト、ノウハウなど。
- インセンティブ 意欲を喚起するための報酬や刺激。ストックオプションなど。
- インテグレーション 統合。PMI(Post Merger Integration)のこと。
- インフォメーション・メモランダム(IM) 詳細な企業概要書。秘密保持契約後に開示される。
- 隠蔽(いんぺい) 不都合な事実(粉飾や事故)を隠すこと。表明保証違反となる。
【ウ】
- ウィルネス 故意。表明保証において「知っていて告げなかった」悪意ある嘘。
- 請負(うけおい) 仕事の完成に対して報酬を支払う契約。
- 受皿会社(うけざらがいしゃ) 事業譲渡や吸収分割を受けるために設立された会社。SPC。
- 薄価(うすか・はっか) 低い価格。
- 右肩上がり(みぎかたあがり) 業績が順調に伸びていること。M&Aで最も好まれるチャート。
- 打出の小槌(うちでのこづち) (俗語)M&A仲介会社にとって、次々と案件が決まり利益が出る状態、またはその仕組み。
- 訴えの利益 裁判で判決を下す必要性や実益。
- 裏帳簿(うらちょうぼ) 税務署に見せない秘密の帳簿。脱税の証拠であり、M&Aでは致命的なリスク。
- 売手市場(うりてしじょう) 買い手が多く、売り手が有利な条件を選べる市場環境。
- 売り手(うりて) 譲渡企業。オーナー経営者。
- 売上高(うりあげだか) 本業の営業活動によって得られた収益。企業規模の目安。
- 売上債権(うりあげさいけん) 受取手形や売掛金のこと。
- 運転資金(うんてんしきん) 日々の事業活動に必要な現金。
- 運転資本(うんてんしほん) ワーキングキャピタル。「売上債権+棚卸資産-仕入債務」で計算される。M&A価格調整の肝。
- 運送業M&A トラックの台数(緑ナンバー)やドライバー数が評価の鍵となる業界特化型M&A。
【エ】
- エイジアン・オプション 一定期間の平均価格を権利行使価格とするオプション。
- 営業外収益 本業以外から得られる収益。受取利息、不動産賃貸料など。
- 営業外費用 本業以外で発生する費用。支払利息など。
- 営業キャッシュフロー 本業でどれだけ現金を稼いだかを示す指標。
- 営業権(えいぎょうけん) のれん。超過収益力。
- 営業譲渡(えいぎょうじょうと) 旧商法での用語。現在は「事業譲渡」と呼ぶ。
- 営業損益 本業の儲け(または損失)。
- 営業利益 売上総利益から販管費を引いた利益。M&A評価のベースとなる最重要指標。
- エクイティ 株主資本。株式。
- エクイティ・キッカー 融資の際、金利に加えて新株予約権などを受け取る条件。成功時の上乗せ報酬。
- エクイティ・ストーリー 投資家に対する、企業の成長戦略や将来性の説明シナリオ。
- エクイティ・ファイナンス 新株発行による資金調達。
- エスクロー 第三者預託。代金決済の安全を担保する仕組み。
- エグジット(Exit) 出口戦略。創業者やファンドが株式を売却して利益を確定すること。
- エグゼクティブ・サーチ 経営幹部層に特化した人材紹介(ヘッドハンティング)。PMIで経営陣を補強する際に使う。
- M&A(エムアンドエー) Mergers(合併)and Acquisitions(買収)。
- M&A仲介 売り手と買い手の間に入り、中立的な立場で成約を支援すること。
- 円滑化法(えんかつかほう) 中小企業金融円滑化法(現在は期限切れだが精神は継続)。リスケジュールなどの根拠。
- 縁故募集(えんこぼしゅう) 知人や親族など特定の関係者に株式を割り当てること。
- エンジェル税制 ベンチャー企業へ投資した個人投資家が受けられる税制優遇。
- エンジェル投資家 創業間もない企業に資金を提供する個人投資家。
- エントリー・チケット M&Aの入札に参加するための資格や、最初に提出する書類。
- 円安メリット クロスボーダーM&Aにおいて、海外企業を売却する際に円換算額が増えること。
【オ】
- 黄金株(おうごんかぶ) 拒否権付種類株式。1株だけで重要議案を否決できる強力な株。
- 大株主(おおかぶぬし) 発行済株式の多くを保有する株主。
- 横領(おうりょう) 会社の金を私的に使い込むこと。DDで発覚すると破談になる。
- 大型案件(おおがたあんけん) 取引金額が数十億〜数千億円規模のM&A。
- オークション方式(入札方式) 複数の買い手候補に条件を提示させ、最も良い条件を出した相手と交渉する方式。
- 押し込み販売 期末に無理やり商品を納品し、売上を水増しする粉飾手口。
- 汚染土壌(おせんどじょう) 工場跡地などで問題になる土壌汚染。浄化費用は莫大で、M&A価格を大きく下げる。
- 落とし所(おとしどころ) 交渉において双方が妥協できる条件・着地点。
- オファー 買収の申し込み、または提示条件。
- オフバランス 資産や負債を貸借対照表(BS)から外すこと。リース活用や資産売却など。
- オプション あらかじめ決められた価格で売買する権利。
- オペレーショナル・デューデリジェンス 生産、販売、物流などの業務プロセスに関する調査。
- 思惑買い(おもわくがい) M&Aの噂などで株価が上がることを見越して株を買うこと。
- 親会社(おやがいしゃ) 他社の株式の過半数などを保有し、支配している会社。
- 親族外承継(しんぞくがいしょうけい) 従業員や第三者(M&A)へ事業を引き継ぐこと。
- 親族内承継(しんぞくないしょうけい) 子供や親戚へ事業を引き継ぐこと。
- 恩株(おんかぶ) 会社から無償で交付される株式。
【カ】
- カーブアウト 事業の一部を切り出して別会社として独立させること。
- 買収(ばいしゅう) ある企業が他の企業の経営権を取得すること。
- 買収監査(ばいしゅうかんさ) デューデリジェンス(DD)。
- 買収防衛策 敵対的買収を防ぐための事前・事後の対策。ポイズンピルなど。
- 買収プレミアム 市場株価に上乗せして支払われる金額。支配権の対価。
- 会社解散 事業をやめ、会社をたたむ法的手続きの入り口。
- 会社更生法 大企業向けの法的倒産手続。経営陣は退陣し、管財人が主導する。
- 会社分割(かいしゃぶんかつ) 事業の一部を切り離し、他社に承継させる組織再編行為。
- 会社法 企業の設立、運営、管理、清算などのルールを定めた法律。M&Aの手続きはこれに基づく。
- 開示(かいじ) ディスクロージャー。企業の情報を公表すること。
- 階層化(かいそうか) 組織をピラミッド型にすること。PMIでの組織再編手法。
- 外注費(がいちゅうひ) 外部業者への業務委託費用。ここに見せかけた利益流出がないかDDでチェックされる。
- 回転率(かいてんりつ) 資産をどれだけ効率的に使って売上を上げているかの指標。
- ガイドライン 「中小M&Aガイドライン」など、国が定めた指針。
- 買い手(かいて) 譲受企業。買収側。
- 買手市場(かいてしじょう) 売り手が多く、買い手が選り好みできる市場環境。
- 解任(かいにん) 取締役などを辞めさせること。M&A後のトラブルで発生することがある。
- 外部環境(がいぶかんきょう) 市場動向、法改正、競合など、自社ではコントロールできない要因。
- 価格調整条項 DDの結果やクロージング時の財務状態によって、最終的な売買価格を増減させる取り決め。
- 架空売上(かくううりあげ) 実際にはない売上を計上する粉飾決算の手口。
- 架空資産(かくうしさん) 実際には価値がない、または存在しない資産。
- 覚書(おぼえがき) MOU。契約内容の補足や変更、合意事項を記した文書。
- 確約(かくやく) コベナント。契約上の義務。
- 隠れ債務 簿外債務。
- 貸倒引当金(かしだおれひきあてきん) 回収不能になるかもしれない債権に備えて計上する費用。
- 瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん) (改正民法では「契約不適合責任」)売買対象に欠陥があった場合の売主の責任。
- 過少資本(かしょうしほん) 借入金に依存しすぎて自己資本が少なすぎる状態。
- 課税繰延(かぜいくりのべ) 税金の支払いを将来に先送りすること。組織再編税制のメリット。
- 家族経営 同族経営。オーナー一族が経営を支配している状態。中小企業の基本形態。
- 片手取引(かたてとりひき) 仲介会社が売り手・買い手のどちらか一方のみと契約している状態。FA形式。
- 合併(がっぺい) 2つ以上の会社が法的に1つになること。
- 合併比率 合併する際に、各社の株主に割り当てられる新株の比率。
- 活動基準原価計算(ABC) 活動ごとのコストを細かく計算する管理会計手法。
- 株価(かぶか) 株式の価格。M&Aでは「譲渡価格」。
- 株価算定書 第三者機関が企業価値を計算し、まとめたレポート。バリュエーション・レポート。
- 株式交換 完全親会社・完全子会社関係を作るための手法。株を交換する。
- 株式移転 ホールディングス(持株会社)を作るための手法。
- 株式譲渡 株を売って経営権を渡す、最も一般的なM&A手法。
- 株式公開(IPO) 証券取引所に上場すること。
- 株主(かぶぬし) 会社の所有者。M&Aの最終決定権を持つ(原則)。
- 株主間契約 株主同士(例:創業者とVC、合弁パートナー同士)で結ぶ契約。
- 株主還元 配当や自社株買いで株主に利益を還元すること。
- 株主資本コスト 株主が期待するリターン(配当+値上がり益)。
- 株主総会 会社の最高意思決定機関。M&Aの承認には特別決議が必要な場合が多い。
- 株主名簿 株主の氏名や株数を記載した帳簿。M&Aではこれが整備されているかが重要。
- 過半数(かはんすう) 50%超。普通決議の要件であり、経営権の最低ライン。
- 借換(かりかえ) リファイナンス。新しい借金で古い借金を返すこと。
- 仮装(かそう) 事実と異なる外観を作ること。仮装隠蔽は重加算税の対象。
- 借入金(かりいれきん) 銀行などからの借金。有利子負債。
- カルテル 競合他社と価格や数量を協定すること。独禁法違反。ガン・ジャンピングのリスク。
- 元本(がんぽん) 投資や貸付の元手となる金額。
- 簡易合併 小規模な合併において、株主総会を省略できる手続き。
- 管財人(かんざいにん) 破産や会社更生の際に、財産を管理・処分する弁護士など。
- 監査(かんさ) 計算書類や業務が正しいかチェックすること。
- 完全子会社 発行済株式の100%を親会社に保有されている会社。
- 完全成功報酬 着手金などがなく、成約した時だけ報酬が発生する料金体系。
- カントリーリスク 海外M&Aにおいて、その国の政治・経済情勢の変化によるリスク。
- 管理会計 経営管理のために自社独自で行う会計。
- 関連会社 親会社が20%〜50%程度の議決権を持ち、重要な影響を与えられる会社。
- 緩和(かんわ) 規制などを緩めること。
【キ】
- キーマン 会社の業績を支える重要人物(役員、工場長、トップセールスなど)。
- キーマン条項 M&A後もキーマンが会社に残ることを条件とする契約条項。
- 期限の利益 「期限が来るまでは借金を返さなくていい」という権利。
- 期限の利益喪失 契約違反などで、直ちに借金を全額返済しなければならなくなること。
- 企業概要書 IM。売り手の詳細資料。
- 企業価値(EV) Enterprise Value。事業価値+非事業用資産。会社全体の値段。
- 企業再生 経営不振の会社を立て直すこと。再生M&A。
- 議決権 株主総会で票を入れる権利。
- 議決権行使助言会社 プロキシ・アドバイザー。機関投資家に賛否を推奨する会社。
- 議決権制限株式 議決権がない、または制限された種類株式。
- 技術料 調剤薬局M&Aにおいて、処方箋単価の高さを評価する指標。
- 期中(きちゅう) 会計期間の途中。M&Aは決算日を待たず期中に行われることも多い。
- 既得権益 特定の集団が維持している利益や権利。
- 機密保持契約(NDA) 情報を第三者に漏らさない契約。M&A検討の第一歩。
- 義務(ぎむ) やらなければならないこと。
- 逆さ合併 法形式上、小が大を飲み込む形の合併。
- 逆取得 会計上、買収された側を買収した側として扱う処理。
- キャッシュフロー(CF) 現金の流れ。黒字倒産を防ぐために利益より重要視される。
- キャッシュ・アウト 現金の流出。
- キャッシュ・イン 現金の流入。
- 救済合併 倒産寸前の会社を合併して助けること。
- デューデリジェンス(DD) (※「キ」の読みではないが慣習的にここに記載されることも)買収監査。
- 競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ) M&A後、売り手が同じ商売をしてはいけない義務。会社法で定められている。
- 競争法 独占禁止法などの総称。
- 協調融資(シンジケートローン) 複数の銀行が協力して融資すること。
- 許認可(きょにんか) 事業を行うために必要な行政の許可。M&Aで引き継げるかどうかが最重要ポイントの一つ。
- 拒否権 重要事項を否決できる権利。ベトー権。
- 寄与度(きよど) 特定の要因が全体の結果にどれだけ貢献したか。
- 金庫株(きんこかぶ) 自己株式。会社が自分で持っている自分の株。
【ク】
- グリーンメール 株を買い集め、会社に高値で買い取らせようとする脅迫的行為。
- 繰延資産(くりのべしさん) 開業費など、支出効果が長期間及ぶため資産計上されたもの。換金価値はないのでDDでゼロ査定される。
- 繰延税金資産 将来税金が安くなる権利を資産計上したもの。回収可能性が論点になる。
- 繰越欠損金(くりこしけっそんきん) 過去の赤字。将来の黒字と相殺して節税できる「宝の山」になることがある。
- グループ通算制度 連結納税制度の後継。グループ全体の損益を通算する。
- クロスボーダーM&A 国境を越えたM&A。IN-OUT(日本が海外を買う)とOUT-IN(海外が日本を買う)がある。
- 黒字倒産 利益は出ているのに、現金がなくなって倒産すること。
- クロージング M&Aの最終実行日。代金決済と株式引渡しを行う日。
- クロージング条件(CP) M&Aを実行するための前提条件。これが満たされないと破談になる。
- グローバル・オファリング 世界規模で株式を売り出すこと。
【ケ】
- 経営革新等支援機関(認定支援機関) 国が認定した、中小企業支援の専門家(税理士、診断士、金融機関など)。
- 経営権 会社の支配権。通常は過半数の議決権。
- 経営事項審査(経審) 建設業における公共工事入札参加資格の審査。M&Aで点数を引き継げるかが重要。
- 経営者保証 社長個人が会社の借金を連帯保証すること。M&Aでこれを外すのが売り手の最大の願い。
- 経営者保証ガイドライン 経営者保証を解除するための準則。
- 経営承継円滑化法 事業承継税制などの根拠となる法律。
- 経営統合 持株会社方式などでグループとして一体化すること。
- 経過利息 債券売買などで、直前の利払日から売買日までの利息。
- 計算書類 決算書(BS、PL、株主資本等変動計算書、注記表)。
- 契約不適合責任 旧・瑕疵担保責任。売買対象が契約内容と違う場合の責任。
- 経常利益(けいつね) 本業の利益に財務活動の損益を加えた、企業の平常時の実力値。
- 継続企業の前提(ゴーイングコンサーン) 会社が将来にわたって事業を続けるという前提。これが危ういと注記がつく。
- ケミカルプロット 医薬品業界などのM&Aにおける開発パイプラインの評価。
- 減価償却 固定資産の購入費用を、耐用年数にわたって費用配分すること。キャッシュフローにはプラスに働く。
- 現物出資 金銭の代わりに不動産や株などを出資すること。
- 減資 資本金を減らすこと。欠損填補や節税(中小企業化)のために行う。
- 減損 資産価値が著しく下がった場合に帳簿価額を切り下げる処理。M&A後の「のれんの減損」は巨額損失の原因。
- 権利落ち 配当や優待を得る権利が過ぎた状態。
【コ】
- コア事業 会社の中核となる事業。
- 公開買付(TOB) 不特定多数の株主から、市場外で株を買い集めること。
- 公正取引委員会(公取委) 独禁法の番人。一定規模以上のM&Aはここに届出が必要。
- 公的再生 民事再生や会社更生など、裁判所が関与する再生手続き。
- 合意管轄 裁判になったらどこの裁判所でやるかを決めておくこと。東京地裁が多い。
- ゴーイング・プライベート 非公開化。MBOなどで上場をやめること。
- 合弁会社(JV) ジョイントベンチャー。複数社が出資して作る会社。
- 顧客基盤 その会社が持っているお客さんのリストや関係性。M&Aで高く評価される無形資産。
- 固定費 売上がゼロでもかかる費用(家賃、人件費など)。
- コベナント 融資契約における財務制限条項(「利益を〇〇以上維持しろ」など)。
- 顧問 M&A後、元社長が就任する名誉職。実権は持たないことが多い。
- 個別クレジット 個別の商品購入ごとのローン。割賦販売。
- コミュニティ・ガス 簡易ガス事業。インフラ系M&Aの一種。
- コングロマリット・ディスカウント 多角化している企業が、単体事業の合計よりも低く評価される現象。
- コンティンジェンシー・プラン 緊急時対応計画。
- コンテンツ 情報の中身。
- 混合対価 買収対価として、現金と株式を組み合わせて支払うこと。
- コンプライアンス 法令遵守。DDでのチェック項目。
- コンフォート・レター 公認会計士などが内容をある程度保証する書簡。
- ゴールデンパラシュート 敵対的買収で役員が解任された際の巨額退職金。
- コミットメントライン 銀行が一定枠までいつでも融資することを約束する契約。買収資金の確保に使われる。
【サ】
- 差入保証金 家賃の敷金など。資産計上されるが返ってくるかは契約次第。
- 詐害行為取消権 債権者を害することを知って財産を処分した場合、債権者がその行為を取り消せる権利。
- 先買権(さきがいけん) 優先的に買える権利。
- 差額決済 現物の受け渡しをせず、売値と買値の差額だけをやり取りすること。
- サステナビリティ 持続可能性。ESG経営。
- サバイバル条項 契約終了後も効力が続く条項(秘密保持など)。
- 差別化戦略 他社と違う価値を提供して優位に立つ戦略。
- 産業競争力強化法 企業の再編や設備投資を支援する法律。税制優遇の根拠。
- 算定(さんてい) 計算すること。株価算定。
- 残存価額 耐用年数が過ぎた後の資産価値。
- 残存期間 DCF法などで、予測期間以降の期間。
- サンドバッグ条項 「買収前に知っていた問題でも、後で損害賠償請求できる」という買い手に超有利な条項。
- 3分の2 株主総会の特別決議に必要な議決権割合。M&A(合併、事業譲渡など)の承認ライン。
【タ】
- 第三者割当増資(だいさんしゃわりあてぞうし) 特定の第三者に新株を引き受けてもらい、資金調達と資本提携を行う手法。再生M&Aでも多用される。
- 対抗TOB 敵対的TOBに対抗して、友好的な第三者がより高い価格でTOBを行うこと。ホワイトナイト。
- 退職給付引当金 将来支払う退職金のうち、当期までに発生したと見なされる額。M&Aにおける隠れ負債の代表格。
- 退職慰労金 役員退職金。M&A対価の一部を退職金として受け取ることで、税負担を大幅に減らせる(退職所得控除)。
- 代表訴訟 株主が会社に代わって取締役の責任を追及する訴訟。
- 大量保有報告書 上場株を5%以上保有した際に提出が義務付けられる書類。「5%ルール」。
- タグ・アロング・ライト 売却参加権。大株主が株を売るときに、少数株主も「一緒に売らせろ」と言える権利。
- 立会外分売 取引所の終了後に、大株主の株を小口に分けて投資家に売り出すこと。
- 多角化 リスク分散や成長のために、本業以外の分野に進出すること。M&Aの主要動機。
- タックス・ヘイブン対策税制 軽課税国にある子会社の所得を、日本の親会社の所得と合算して課税する制度。
- タックス・プランニング 税金を最小限に抑えるための計画。M&Aスキーム検討の要。
- 棚卸資産(たなおろししさん) 在庫。DDでは「死に筋在庫(不良在庫)」の評価減が必ず議論になる。
- 単位株 議決権を行使できる最低単位の株数(通常100株)。
- 単独株式移転 1社だけで株式移転を行い、持株会社を作ること。
- 担保 借金のカタに取られる資産。M&A時は売り手個人の担保解除が必須条件となる。
- ターンアラウンド 事業再生。赤字企業を黒字化させること。
- ダイベストメント 投資回収、事業売却。事業の切り離し。
- 脱税 違法に税金を逃れること。DDで見つかると買い手が引く最大要因。
【チ】
- 地域活性化ファンド 地方銀行などが設立し、地場産業に投資するファンド。
- 知財(ちざい) 知的財産権(特許、商標、著作権など)。技術系M&Aの核心。
- 地代家賃 土地や建物の賃借料。関連当事者取引(社長個人への支払い)で利益調整されがち。
- 着手金 M&A仲介会社と契約した時点で支払う手数料。最近は無料の会社も多い。
- 中小企業庁 経済産業省の外局。中小M&Aガイドラインの策定元。
- 中間金 基本合意時などに支払う手数料。
- 中間法人 (旧制度)営利を目的としない社団。現在は一般社団法人などに移行。
- 注記表 決算書の脚注。重要な会計方針や偶発債務などが書かれている。
- 超過収益力 のれんの源泉。同業他社より儲かる力。
- 調達コスト 資金を集めるためにかかる費用(金利や配当)。
- 帳簿価額(簿価) 会計帳簿に記載されている資産や負債の金額。
- 直接金融 株式発行など、市場から直接資金を集めること。
- 賃借対照表(BS) バランスシート。会社の財産状態を表す表。
- チェンジ・オブ・コントロール(COC)条項 「株主が変わったら契約解除できる」という取引契約条項。DDでの重要確認事項。
- チェリーピッキング 良いとこ取り。事業譲渡で優良事業だけを買うこと。
【ツ】
- 追加型投信 いつでも購入できる投資信託。
- 通期予想 1年間の業績見通し。
- 通常再生 DIPファイナンスなどを活用する通常の民事再生。
- 積立金 利益の中から将来のために留保した金額。
- つなぎ融資(ブリッジローン) 本資金調達までの短期間をつなぐための高金利融資。
【テ】
- 低PBR 株価が純資産に対して割安な状態。買収ターゲットになりやすい。
- 定款(ていかん) 会社の憲法。M&A時には「株式の譲渡制限」の条文確認が必須。
- 提携 アライアンス。
- 抵当権 不動産を借金の担保にすること。M&A前に抹消できるかがポイント。
- 適格機関投資家 プロの投資家。
- 敵対的買収 経営陣の合意なしに株を買い集めること。
- テクニカル上場 裏口上場の一種。審査を経ずに上場すること。
- 手元流動性 すぐに使える現預金や有価証券の量。
- デット・エクイティ・スワップ(DES) 債務の株式化。借金を消して株を渡す再生手法。
- デット・ファイナンス 借入による資金調達。
- デューデリジェンス(DD) 買収監査。財務、法務、ビジネスなどを調査する。
- テリトリー権 フランチャイズなどで、特定地域での独占営業権。
- 転換社債(CB) 株に交換できる権利がついた社債。
- 天災条項 災害時などの免責事項。
【ト】
- 統合比率 合併比率。
- 倒産 資金繰りに行き詰まり、事業継続が不能になること。
- 倒産隔離 SPCを使って、親会社が倒産しても資産が影響を受けないようにすること。
- 投資育成会社 中小企業に投資して育成する公的機関。安定株主として機能する。
- 同族会社 親族で株や経営を独占している会社。
- 特定調停 裁判所を利用して債務整理をする手続き。
- 特別決議 株主総会で3分の2以上の賛成が必要な決議。M&Aの承認にはこれが必要。
- 特別目的会社(SPC) M&Aや証券化のために作られるハコ会社。
- 独占交渉権 特定の相手とだけ交渉できる権利。基本合意書で定める。
- 特損(特別損失) リストラ費用や減損など、臨時で発生する巨額損失。
- トップ面談 社長同士の顔合わせ。条件交渉ではなく、理念や相性を確かめる場。
- 土壌汚染 工場の跡地などで見つかる汚染。M&Aの隠れた爆弾。
- ドローン 無人機。物流M&Aなどで注目される技術。
- 取締役会 業務執行を決定する機関。M&Aの承認を行う。
- トレードセール 事業会社への会社売却(M&A)。IPOの対義語的に使われる。
- ドッグイヤー 技術革新が速い業界(ITなど)の時間感覚。
【ナ】
- 内部管理体制 ガバナンスやコンプライアンスの仕組み。IPOやM&Aでチェックされる。
- 内部留保 過去の利益の蓄積。利益剰余金。
- 仲介(ちゅうかい) 売り手と買い手の間を取り持つこと。
- 中抜き 仲介会社を飛ばして直接取引すること。契約違反で違約金対象になる。
- 名寄せ 分散した借入先や株主をまとめること。
- ナレッジ 知識、知見。
- ナンピン買い 値下がりした株を追加購入して平均取得単価を下げること。
【ニ】
- 二段階買収 まずTOBで大半の株を取得し、その後にスクイーズアウトで残りの株を強制取得する方法。
- 二重課税 法人税と所得税など、同じ利益に二重に税金がかかること。
- 日本M&Aセンター 業界最大手のM&A仲介会社。
- 入札(にゅうさつ) ビッド。オークション形式で価格を提示すること。
- 認定支援機関 経営革新等支援機関。
【ヌ】
- 抜き打ち監査 予告なしに行う監査。在庫確認などで実施。
【ネ】
- ネームクリア 売り手の社名を買い手候補に開示してよいか確認するプロセス。
- 根保証(ねほしょう) 極度額の範囲内で、将来の借入まで含めて保証すること。経営者保証の典型。
- ネットデット 純有利子負債。有利子負債-現預金。
- 年金資産 企業年金のために積み立てられた資産。積立不足は簿外債務になる。
- 年倍法(年買法) 中小企業M&Aの価格算定法。「時価純資産+営業利益×3年」など。
【ノ】
- ノウハウ 事業運営上の秘訣。無形資産。
- 納税猶予 事業承継税制などで、税金の支払いを待ってもらうこと。
- ノーショップ条項 売り手が他の買い手を探すことを禁止する条項。
- のれん(Goodwill) 買収価格と純資産の差額。ブランド価値や超過収益力。
- のれん分け 従業員を独立させる制度。
- ノンコミットメント 努力はするが約束はしない融資枠。
- ノンネームシート ティーザー。社名を伏せた案件概要書。
- ノンリコースローン 返済原資を特定の事業や資産からの収益のみに限定する融資。LBOで使われる。
【ハ】
- バイアウト 買収。または、経営陣などが自社株を買い取ること。
- 配当還元法 配当額を基に株価を計算する方法。少数株主の株価算定で使われる。
- 廃業 事業をやめること。M&Aは廃業回避の手段。
- 売却 会社や事業を売ること。
- ハイブリッド証券 資本と負債の中間的な性質を持つ証券。劣後債など。
- バイヤーズ・マーケット 買い手市場。
- パイプライン 製薬会社の開発中の新薬候補。または、仲介会社の仕掛かり案件。
- 破産 資産をすべて処分して借金をチャラにし、会社を消滅させる手続き。
- バスケット条項 補償請求において、小額の損害を合計して一定額を超えたら請求できるとする条項。
- 働き方改革関連法 残業規制など。未払い残業代リスク(簿外債務)の要因。
- ハゲタカファンド 経営不振企業を安く買い叩き、リストラ等で高値で売り抜けるファンドの蔑称。
- パブリック・カンパニー 上場企業。
- バリュエーション 企業価値評価。株価算定。
- パリティ 転換社債を株式に転換したときの価値と、転換社債の価格が等しい状態。
- バランスシート(BS) 貸借対照表。
- 半値八掛け二割引 (相場格言)高値から極端に下がること。
- 販売費及び一般管理費(販管費) 営業活動や管理にかかる費用。これを削減することがシナジーの第一歩。
【ヒ】
- 非開示契約(NDA) 秘密保持契約。
- 引当金 将来の支出に備えて計上する費用。退職給付引当金など。
- ビジネス・デューデリジェンス 事業の将来性や市場環境を分析するDD。
- 非上場株式 取引所に上場していない株。流動性が低く、評価が難しい。
- 筆頭株主 最も多くの株を持っている株主。
- 非適格 税制上の優遇要件を満たさないこと。課税が発生する。
- 評価損 資産の時価が帳簿価額より下がった場合の損失。
- 表面利率 債券に記載された利率。クーポン。
- 費用対効果 コストパフォーマンス。
【フ】
- ファインディング 案件(売り手・買い手)を探し出すこと。ソーシング。
- ファイナンシャル・アドバイザー(FA) 財務助言を行う専門家。
- ファイナンシャル・バイヤー 投資リターンを目的とする買い手(ファンドなど)。
- ファクトリング 売掛金を業者に売却して現金化すること。資金繰り悪化のサインと見られることもある。
- プット・オプション 売る権利。少数株主が「株を買い取れ」と要求する権利。
- 含み益・含み損 帳簿価格と時価の差額。不動産などで重要。
- 負債 借金や未払金。
- 普通株式 一般的な株式。
- 物言う株主 アクティビスト。
- プライベート・エクイティ(PE) 未公開株。
- ブラックナイト 敵対的買収者。
- フランチャイズ(FC) 本部が加盟店に商標やノウハウを提供し、ロイヤリティを得る仕組み。
- ブリッジローン つなぎ融資。
- フリーキャッシュフロー(FCF) 自由に使えるお金。
- プレパッケージ型民事再生 スポンサーを決めてから申し立てる民事再生。
- プレミアム 上乗せ価格。
- ブレークアップ・フィー 契約破談時の違約金。
- プロキシー 委任状。
- 粉飾決算 業績を良く見せるために数字を偽ること。M&Aにおける詐欺行為。
- 分割(ぶんかつ) 会社分割。
【ヘ】
- ペイアウト 配当性向。
- 平均取得単価 株を買った平均コスト。
- ベースアップ(ベア) 基本給の一律引き上げ。PMIでの人件費統合の課題。
- ペーパーカンパニー 実体のない会社。SPCなど。
- ヘッジファンド 様々な手法で絶対収益を追求する投機的ファンド。
- 別除権 倒産手続きにおいて、担保権を行使して優先的に回収できる権利。
- ベンチャーキャピタル(VC) 未上場ベンチャーに投資するファンド。
- 変動金利 市場金利に合わせて変わる金利。
【ホ】
- ポイズンピル 毒薬条項。買収防衛策。
- 法務デューデリジェンス 法的リスク(契約、訴訟、労務など)を調査するDD。
- ホールディングス(持株会社) 傘下の会社の株を持つことを事業とする会社。
- 簿外債務 BSに載っていない借金やリスク。M&Aの地雷。
- 保険 表明保証保険など、M&Aリスクをヘッジする商品。
- 募集 新株発行などの勧誘。
- 補償条項 契約違反時の損害賠償ルール。
- ホライズン 投資期間。
- ホワイトナイト 白馬の騎士。友好的な買収者。
- 本業 定款に記載された主たる事業。
【マ】
- マイルストーン プロジェクトの節目、中間目標。アーンアウトの条件に使われる。
- 前受金 商品引渡し前に受け取る代金。キャッシュフローにはプラス。
- マーケット・アプローチ 市場価格を参考にする評価法。マルチプル法。
- 摩擦的失業 転職のタイムラグによる失業。
- マネジメント・バイアウト(MBO) 経営陣による買収。
- マルチプル 倍率。EV/EBITDA倍率など。
- マンデート M&Aアドバイザーへの委任契約、またはその権限。
【ミ】
- 未公開株 上場していない株。
- 民事再生 経営陣が残りながら再建を目指す法的倒産手続。中小企業の再生で一般的。
- みなし配当 税務上、配当とみなされて課税される所得。自社株買いなどで発生。
【ム】
- 無形資産 特許、ブランド、のれんなど、形のない資産。
- 無配 配当がないこと。
- 無償減資 株主への払い戻しを行わない減資。欠損填補に使う。
【メ】
- 名義株(めいぎかぶ) 他人名義の株式。中小企業の株主管理の不備。
- メザニン 中二階。資本と負債の中間的なファイナンス。
- 目論見書(もくろみしょ) 有価証券の募集時に投資家に渡す説明書。
【モ】
- モラルハザード 倫理の欠如。
- 持株会 従業員などが自社株を共同購入する組織。
- 持分法 関連会社の業績を持株比率に応じて取り込む会計手法。
【ヤ】
- 役員 取締役、監査役など。M&Aで処遇が問題になる。
- 約定 売買が成立すること。
- 野合(やごう) 理念なき合併。失敗するM&Aの典型。
【ユ】
- 有価証券 株式、社債など。
- 有限責任 出資額までしか責任を負わないこと。
- 優先交渉権 他社より優先して交渉できる権利。
- 優先株 配当や残余財産を優先的に受け取れる株。議決権はないことが多い。
- 有利子負債 利子をつけて返さなければならない借金。
【ヨ】
- 予実管理 予算と実績の比較管理。
- 与信 信用を与えること(貸出枠など)。
- 呼び値 売買の希望価格。
【ラ】
- ライツ・オファリング 既存株主に新株予約権を割り当てる増資手法。
- ライフタイム・コミッション 顧客が契約し続ける限り入る報酬。M&A仲介のアフィリエイトなど。
- ランニング・コスト 維持費。
【リ】
- リアル・オプション 事業投資の柔軟性をオプション理論で評価する手法。
- 利益剰余金 内部留保。
- 利益相反 一方の利益が他方の不利益になる関係。M&A仲介(両手取引)で問題視される点。
- リスク・プレミアム リスクを取ることに対する報酬(上乗せ利回り)。
- リストラクチャリング 事業再構築。人員削減の意味で使われることが多い。
- リースバック 資産を売却して、同時に賃貸契約を結び、使い続けること。
- リテール 個人や中小企業向けの小口取引。
- 利回り 投資額に対する収益の割合。
- 流動性ディスカウント 売りにくい株(非上場株)の価値を割り引くこと。
- リファイナンス 借金の借り換え。LBO後の必須アクション。
- リボルビング払い 定額払い。
- 理論株価 計算上の適正株価。
- 隣地(りんち) 隣の土地。不動産M&Aで重要。
【ル】
- 累積投票 取締役選任において、持ち株数×選任数分の票を持てる制度。少数株主保護。
【レ】
- レバレッジ てこ。借金を使って自己資金以上の投資をすること(LBO)。
- レーマン方式 取引額に応じて手数料率が下がる、M&A仲介の標準的な手数料体系。
- 連結決算 親会社と子会社を一つの会社とみなして行う決算。
- レンジ 価格の幅。
【ロ】
- 労務デューデリジェンス 未払い残業代や社会保険加入状況などを調べる監査。中小企業M&Aの最重要DD。
- ロックアップ M&A後、元経営者などが一定期間、株を売ったり辞めたりできない制限。
- ロングリスト 買い手候補の長いリスト(30〜50社程度)。
- ロールアップ 同業他社を次々と買収して規模を拡大する戦略。
【ワ】
- ワーキングキャピタル 運転資本。
- ワラント 新株予約権。
- 割当(わりあて) 新株などを誰にどれだけ渡すか決めること。
- ワンマン経営 社長一人で全て決める経営。M&Aでは「社長がいなくなると回らない」というリスク評価になる。
【英数字】
- B/S(Balance Sheet) 貸借対照表。
- P/L(Profit and Loss Statement) 損益計算書。
- C/F(Cash Flow Statement) キャッシュフロー計算書。
- CA(Confidentiality Agreement) 秘密保持契約(NDAと同じ)。
- CAPEX(Capital Expenditure) 設備投資。
- COC(Change of Control) 経営権の移動。
- DA(Definitive Agreement) 最終契約書。
- DCF法(Discounted Cash Flow) 将来CFを現在価値に割り引く評価法。
- DD(Due Diligence) 買収監査。
- DES(Debt Equity Swap) デット・エクイティ・スワップ。
- DIPファイナンス 民事再生中の企業への融資。
- EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization) 償却前営業利益。キャッシュ創出力。
- EBO(Employee Buyout) 従業員による買収。
- EPS(Earnings Per Share) 一株当たり利益。
- ESG 環境・社会・ガバナンス。投資の主要テーマ。
- FA(Financial Advisor) 財務アドバイザー。
- FCF(Free Cash Flow) フリーキャッシュフロー。
- IM(Information Memorandum) 企業概要書。
- IPO(Initial Public Offering) 新規株式公開。
- IRR(Internal Rate of Return) 内部収益率。
- LBO(Leveraged Buyout) 借入金を活用した買収。
- LOI(Letter of Intent) 意向表明書。
- M&A(Mergers and Acquisitions) 合併と買収。
- MBO(Management Buyout) 経営陣による買収。
- MOU(Memorandum of Understanding) 基本合意書。
- NDA(Non-Disclosure Agreement) 秘密保持契約。
- NPV(Net Present Value) 正味現在価値。
- PBR(Price Book-value Ratio) 株価純資産倍率。
- PER(Price Earnings Ratio) 株価収益率。
- PMI(Post Merger Integration) M&A後の統合作業。
- PPA(Purchase Price Allocation) 取得原価の配分。
- Q&A DD期間中の質疑応答。
- ROA(Return on Assets) 総資産利益率。
- ROE(Return on Equity) 自己資本利益率。
- ROI(Return on Investment) 投資利益率。
- SPC(Special Purpose Company) 特別目的会社。
- TOB(Takeover Bid) 株式公開買付け。
- WACC(Weighted Average Cost of Capital) 加重平均資本コスト。